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PLEK(プレック)とは?仕組み・できること・作業の流れをわかりやすく解説

PLEK(プレック)とは、弦を張ったままギターやベースのネックとフレットを計測し、フレットを必要なぶんだけ整えるドイツ生まれの機械です。仕組み、できること、作業の流れを、PLEKを導入しているベース専門店GIBが解説します。

PLEK(プレック)という名前は聞いたことがあるけれど、具体的に何をする機械なのかはよくわからない。この記事では、PLEKを導入しているベース専門店GIBが、PLEKの仕組み、できること、作業の流れを順番に解説します。

先に一言でまとめると、PLEKとは「弦を張ったまま楽器を計測し、フレットを必要なぶんだけ整える機械」です。

  • ギターやベースを、弾くときと同じ状態で1/1000ミリ単位で計測する
  • 弾きにくさやビビりの原因を、数値とグラフで見えるようにする
  • 計測結果をもとに、フレットを1本ずつ必要なぶんだけ削る

PLEKとは

PLEK(読み方: プレック)は、ドイツで開発された、ギター・ベース用の計測・加工機です。楽器を演奏時と同じようにチューニングした状態でセットし、ネックの反り、フレット1本ずつの高さ、弦高を計測します。

たとえるなら、楽器の精密検査です。そして検査で終わらず、その結果をもとにフレットの高さを整える「すり合わせ」まで1台で行えるのが、PLEKの特徴です。

開発したのは、ドイツの会社

PLEKを開発・製造しているのは、ドイツのA+D Gitarrentechnologie社です。社名の「A+D」は、創業者のGerd Anke氏と、現CEOのMichael Dubach氏の頭文字から取られています。

開発のきっかけについて、Gerd Anke氏はGIBからの質問にこう答えています。

1989年、地元のギター職人に自分のギターをセットアップしてもらったところ、ひどい仕上がりでした。これなら自分で改善できる、と思ったのです。

同社によると、現在、世界で約200台のPLEKが稼働しています。

PLEKの仕組み

弦を張ったまま計測する

PLEKのいちばんの特徴は、弦を張り、チューニングした状態のまま計測することです。

弦を張ったネックには大きな張力がかかっていて、弦を緩めたときとは反り方が変わります。弾くときの状態で測るからこそ、弾くときの状態に合わせてフレットを整えられます。

センサーが弦とフレットに触れて測る

計測には、「センサーフィンガー」と呼ばれる接触式のセンサーを使います。開発チームは次のように説明しています。

接触式のセンサーフィンガーが、弦の上面と、1フレット・12フレットを測定します。(Gerd Anke氏)

計測結果はグラフで表示される

計測した結果は、弦ごとにグラフで表示されます。下の画像は、GIB兵庫店で実際に計測したベースの画面です。

PLEKのスキャン画面。設定した弦高と実際の弦高、フレットの高さ、指板の反りが表示されている
緑の線が設定した理想の状態、オレンジの線が実際に計測した状態です。数字はフレットごとの高さ(mm)を表しています。

ネックがどこからどのくらい反っているのか、どのフレットが高いのか、弦高が狙いどおりかが、一目でわかります。

「理想の状態」は、どう決められているのか

PLEKは、計測した状態と「理想の状態」を比べて、どこをどれだけ整えればよいかを示します。この理想値の根拠について、開発チームはこう答えています。

テスト用の楽器に電気的に接続したフレットを使い、アタックの異なる複数のプレーヤーからデータを集めました。そのデータを分析して導き出したのが、現在Plekソフトウェアで使われているアルゴリズムです。(Gerd Anke氏)

Plekのソフトウェアには弦楽器に関する何世紀にもわたる経験が凝縮されています。このマシンが行っているのは、非常に熟練した経験豊富なギター職人が行うことと同じなのです。(Michael Dubach氏)

PLEKでできること

1. スキャン(計測と診断)

ネックの反り、フレットの高さ、弦高を、弦ごとに計測します。「なんとなく弾きにくい」「このあたりだけビビる」といった感覚の原因がどこにあるのかを、数値で確かめられます。

2. シミュレーション

どのフレットをどれだけ削れば理想の状態になるかを、加工の前にコンピューター上で確認します。削ってから「削りすぎた」とならないよう、先に結果を確かめられます。

3. フレットのすり合わせ

シミュレーションで決めたとおりに、専用の刃がフレットを1本ずつ削ります。削る必要のないフレットまで削ることを避けられるので、フレットを長く使えることにつながります。

4. 仕上がりの確認とデータの記録

加工のあとにもう一度スキャンして、狙いどおりに仕上がったかを確認します。下は、GIB兵庫店でPLEKによる施術をしたベースの、加工前と加工後の計測画面です。

加工前のPLEKスキャングラフ
加工前。ハイポジションで、実測ライン(オレンジ)が理想のカーブ(緑)から浮いています。
加工後のPLEKスキャングラフ
加工後。実測ラインが理想のカーブに重なっています。

計測したデータは楽器ごとに記録されるので、次に調整するときに前回の状態と比べられます。

PLEKの作業の流れ

GIBで、計測からすり合わせ、セットアップまでを行うフルセットの場合の流れです。

  1. ヒアリング: 気になる症状、弾き方、弦高のお好みを伺います。
  2. PLEKスキャン: 弦を張ったまま、ネックの反り・フレットの高さ・弦高を計測します。
  3. ネック調整とシミュレーション: トラスロッドでネックを整え、どのフレットをどれだけ削るかを画面上で決めます。
  4. フレットのすり合わせ: 弦を外して再度スキャンし、PLEKがフレットを1本ずつ必要なぶんだけ削ります。
  5. セットアップ: ナット、弦高、ピックアップの高さ、オクターブを手作業で調整します。
  6. 最終計測: もう一度スキャンして、仕上がりを確認します。

GIB兵庫店へのお持ち込みの場合、所要時間は2時間程度です。

PLEKは「機械まかせ」ではない

PLEKが出すのは正確なデータと、正確な加工です。そのデータをどう読み、どんな状態を目指すかは、操作する人が決めます。

開発チーム自身も、次のように話しています。

「完璧なギター」は実際には存在しません。プレーヤーの好みは大きく異なり、ある人が完璧だと思うセッティングを、別の人は好まないこともあります。だからこそ、PLEKで加工する前に、プレーヤーの意見と演奏スタイルを考慮することが最も重要なのです。(Nick Gloeckner氏)

GIBでは、日々ベースを扱っている専門店のスタッフがPLEKを操作し、「1・2弦側は低め、5弦は高め」といったお好みにも合わせて仕上げます。

PLEKはこんな人におすすめ

  • なんとなく弾きにくいが、原因がわからない
  • 弦高を下げたいが、ビビりが出て諦めている
  • 特定のフレットだけビビる、ハイポジションの音が詰まる
  • 大事な楽器のフレットを、できるだけ削らずに長く使いたい
  • 新しく買った楽器を、最初から良い状態にしておきたい

良い点だけでなく弱点も知っておきたい方は、PLEKのメリットとデメリットもあわせてご覧ください。

PLEKの料金

GIBでは、計測と診断だけを行う「PLEKスキャン」が¥4,400、すり合わせとセットアップまで行うフルセットが¥18,700です。まずスキャンだけ受けて、結果を見てから先に進むかどうかを決めることもできます。

コースごとの内容は、PLEKの料金はいくら?で詳しく説明しています。

問い合わせるコースと料金を見る

まとめ

  • PLEKとは、弦を張ったまま楽器を計測し、フレットを必要なぶんだけ整えるドイツ生まれの機械です。
  • 弾きにくさの原因と、加工後の仕上がりを、数値とグラフで確かめられます。
  • データをどう読み、どう仕上げるかは人が決めます。担当者の知識と経験が仕上がりを左右します。
  • 迷ったら、まずスキャンだけ受けて、自分の楽器の状態を知るところから始められます。

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