ベースを弾いていて、「ジリジリ」「ビーン」と弦がフレットに当たる音がする。いわゆるビビり(バズ)です。この記事では、ベース専門店GIBが、ビビりの原因の見分け方と直し方を解説します。
- ビビりは、振動している弦がフレットに当たることで起こります
- どこでビビるかを見れば、原因のおおよその見当がつきます
- ネックの反りや弦高が原因なら調整で直ります。フレットの高さが原因なら、すり合わせが必要です
ビビりはなぜ起こるのか
弦は、弧を描くように振動します。その振動に必要なスペースが足りないと、弦がフレットに当たってビビります。
ベースはギターよりも弦の振れ幅が大きい楽器です。つまり、弦が振動するために必要なスペースも大きくなります。太い弦ほど振れ幅が大きいので、4弦や5弦でビビりが出やすいのはこのためです。
ビビる場所で、原因を見分ける
| ビビる場所 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 開放弦だけビビる | ナットの溝が低い、ネックが逆反りしている |
| ローポジション全体でビビる | ネックの順反りが足りない(まっすぐすぎる、または逆反り) |
| ハイポジションでビビる、音が詰まる | ネックのハイ起き、サドルが低すぎる |
| 特定のフレットだけビビる | フレットの高さが揃っていない、フレットが浮いている |
| 全体的にビビる | 弦高が低すぎる、弦が古い |
なお、弦高が低すぎることは、どの場所のビビりの原因にもなりえます。場所にかかわらず、まず弦高を確かめてください。
原因1: ネックの反りが合っていない
「ネックはまっすぐが正しい」と思われがちですが、GIBでは基本的に、ネックにリリーフ(わずかな順反り)をつけてセットアップします。弦が振動するためのスペースを作るためです。
ネックがまっすぐすぎたり、逆反りしていたりすると、ローポジションで弦がフレットに当たりやすくなります。
反りの確かめ方
- チューニングを合わせます。
- 1弦の1フレットと12フレットを同時に押さえます。
- 真ん中あたり(7フレット付近)の、弦とフレットの隙間を見ます。
隙間がまったくなければ、ネックはまっすぐか逆反りです。5弦ベースの場合は、最低でも0.8mm程度の隙間が目安です。
詳しくは、ベースのネックの反りの確認方法で解説しています。
原因2: 弦高が低すぎる
弦高とは、一般的に12フレット上での、弦の下端からフレットの上端までの距離のことです。低いほど押さえやすくなりますが、弦が振動するスペースは減ります。
GIBが目安にしている一般的な弦高は次のとおりです。
| 弦 | 12フレットでの弦高 |
|---|---|
| 1弦 | 1.8〜2.0mm |
| 4弦 | 2.3〜2.5mm |
| 5弦 | 2.5〜2.8mm |
これより大きく低い場合は、弦高が原因の可能性があります。弦高が低すぎることは、開放弦でも、ローポジションでも、ハイポジションでも、すべてのビビりの原因になりえます。
ハイポジションでビビる場合は、ブリッジのサドル(駒)が低すぎることがあります。
原因3: フレットの高さが揃っていない
フレットは弾くうちにすり減り、よく押さえる場所だけが低くなります。すると、押さえたフレットより、その先のフレットのほうが高いという状態が生まれ、そこに弦が当たります。
「特定のフレットを押さえたときだけビビる」という場合は、これが原因であることが多いです。ネックの反りや弦高をいくら調整しても、フレットの高さのばらつきは直りません。
原因4: ネックのハイ起き
ハイ起きとは、ネックのボディ側(ハイポジション)が持ち上がっている状態です。程度の差はありますが、多くの楽器に見られます。ハイ起きがあると、ハイポジションのフレットが相対的に高くなり、ハイポジションでのビビりや音詰まりが起こります。
原因5: 弦が古い
意外と多いのが、弦のトラブルです。弦が劣化していたり、ねじれていたりすると、正しく振動せずビビることがあります。いろいろ調整しても良くならなかったのに、弦交換であっさり解決することも少なくありません。
自分でできること、できないこと
- 自分でできること: 弦交換、チューニングの確認、ネックの反りと弦高の確認、弦高の調整
- 慎重に行いたいこと: トラスロッドの調整(回す方向と量を間違えると、ネックを傷めます)
- お店に任せたいこと: ナットの調整、フレットのすり合わせ、ハイ起きへの対処
ビビりは、必ずしも「悪」ではない
少しのビビりを許容して弦高を下げる、というセッティングもあります。PLEKの開発チームは、こう話しています。
アタックが強いほど、フレットバズを避けるために弦高を高くする必要がある、というのが基本ルールです。ただ、フレットバズをどこまで許容できるか、何を弾きやすいと感じるかは、プレーヤーごとに異なります。(Nick Gloeckner氏)
アンプから出る音に影響しない程度のビビりなら、問題にしない人もいます。自分にとって問題かどうかが基準です。
原因を数値で特定したいなら、PLEK
原因がどれなのか、自分では判断がつかないこともあります。PLEK(プレック)は、弦を張ったままネックとフレットを1/1000ミリ単位で計測し、どの弦の、どのフレットで、どのくらい干渉しているかをグラフで示します。
GIBでは、計測と診断だけを行うPLEKスキャン(¥4,400)で原因を確かめられます。フレットの高さが原因だった場合は、PLEKすり合わせで必要なぶんだけ整えます。
あわせて読む: ベースの弦高を下げたい / PLEKスキャンでわかること
まとめ
- ビビりは、振動している弦がフレットに当たることで起こります。
- 開放弦、ローポジション、ハイポジション、特定のフレットなど、ビビる場所で原因の見当がつきます。
- ネックの反りや弦高は調整で直りますが、フレットの高さのばらつきは、すり合わせが必要です。
- 原因がわからないときは、PLEKスキャンで数値を見て特定できます。