最近なんとなく弾きにくい。ネックが反っているのかもしれない。そう思ったときに、自分でネックの反りを確かめる方法を、ベース専門店GIBが解説します。
- ネックの反りは、弦を定規の代わりにして確かめられます
- ネックは「まっすぐが正解」ではありません。ベースには適度な順反りが必要です
- 順反り・逆反りはトラスロッドで調整できますが、ハイ起きやねじれは調整では直りません
ネックの反りの種類
| 種類 | 状態 | 起こりやすい症状 |
|---|---|---|
| 順反り | 弦に引っ張られて、ネックが弓なりに反っている | 弦高が高くなる、押さえにくい |
| 逆反り | 順反りと逆方向に反っている | ローポジションでビビる、音が詰まる |
| ハイ起き | ネックのボディ側(ハイポジション)が持ち上がっている | ハイポジションでビビる、音が詰まる |
| ねじれ | 高音弦側と低音弦側で、反り方が違う | 弦によって弾き心地やビビり方が違う |
ネックは「まっすぐ」が正解ではない
「ネックはまっすぐな状態が正しい」と思っている人は多いですが、GIBではそうしていません。基本的に、ネックにリリーフ(わずかな順反り)をつけてセットアップします。
弦は弧を描くように振動するので、振動するためのスペースが必要です。ベースはギターよりも弦の振れ幅が大きいので、そのぶん大きなスペースが必要になります。そのスペースを、ネックの反りで作ります。
どのくらい反らせるかは、楽器と出したい音によって変えます。
- まっすぐに近づけるほど: 音の立ち上がりが早く、軽い弾き心地になります。
- 順反りをつけるほど: 基音の強い、低音がたっぷりしたサウンドになります。
反りの確認方法
必ず、チューニングを合わせてから確認します。弦の張力が変わると、反り方も変わるためです。
1. ネック全体の反りを見る
- 1弦の1フレットと12フレットを、同時に押さえます。
- 真ん中あたり(7フレット付近)で、弦の下端とフレットの上端の隙間を見ます。
ここで見える隙間が、ネックのメインの部分の反り具合です。隙間がまったくなければ、ネックはまっすぐか逆反りです。
2. ハイ起きを見る
- 1弦の5フレットと最終フレットを、同時に押さえます。
- 真ん中あたり(12フレット付近)で、弦とフレットの隙間を見ます。
ここで見えた隙間と、1で見た隙間の差が、ハイ起きの具合です。最終フレットを押さえたときの隙間のほうが大きいほど、ハイ起きしています。程度の差はありますが、多くの楽器はハイ起きしています。
3. ねじれを見る
1と2を、いちばん低い弦(4弦または5弦)でも行います。1弦側と隙間の大きさが違えば、ネックがねじれています。
反りの目安
| 楽器・狙い | 7フレット付近の隙間の目安 |
|---|---|
| タイトでかっちりさせたい場合 | ほぼ目視できない程度(弦を押すとフレットに触れてカチカチ鳴る) |
| フェンダータイプのベース | 1.0mm弱 |
| 5弦ベース | 最低でも0.8mm程度 |
5弦ベースは、Low-B弦をしっかり鳴らすために、4弦ベースよりも大きめのリリーフをつけます。
反っていること自体は、問題ではない
GIBの嵯峨は、ネックの反りについてこう書いています。
ネックが反ってることが問題なわけではなくて、ネックが反ってる事によって起こる問題が問題なわけです。つまりプレイヤーにとって問題がなければ、それは問題じゃないんですよね。
順反りが大きくてハイポジションが使いづらくても、そのぶん低音がしっかり出て、それが心地よければ問題ありません。自分にとって何がベストかが基準です。
ネックが反る原因
PLEKの開発チームは、ネックが反る主な要因として次の3つを挙げています。
弦の張力、気候の変化、そして湿度です。(Nick Gloeckner氏)
季節の変わり目や、弦のゲージやチューニングを変えたときに反り方が変わるのは、このためです。
反りの直し方
順反り・逆反りは、トラスロッドで調整する
ネックの中には、トラスロッドという金属の棒が入っています。これを回して、反り具合を調整します。
- 締める(多くの楽器では右に回す): 順反りが減り、まっすぐに近づきます。
- 緩める(多くの楽器では左に回す): 順反りが増えます。
多くの楽器は上のとおりですが、まれに、回す方向が逆の楽器もあります(右に回すと緩む)。回す前に、その楽器の仕様を確かめてください。
一度に大きく回さず、少しずつ回しては、チューニングを合わせ直して確認します。固くて回らない場合や、不安がある場合は、無理をせずお店に任せてください。
ハイ起き・ねじれは、トラスロッドでは直らない
トラスロッドが調整できるのは、ネック全体の順反り・逆反りです。ハイ起きやねじれ、指板の細かなうねりは、トラスロッドでは直せません。
この場合は、フレットの高さを整えること(すり合わせ)で、弦に対するフレットのラインを揃えます。
目では見えない反りも、PLEKなら数値で見える
ここまで紹介した方法でわかるのは、1弦といちばん低い弦の、数か所の隙間だけです。PLEK(プレック)は、弦を張ったまま、すべての弦について、ネックがどこからどのくらいのカーブで反っているかを1/1000ミリ単位で計測します。

GIBでPLEKを受けたお客様からは、次のような声をいただいています。
診断データを見ると想像以上にネックがねじれていたり、フレットが低い状態だったことに驚きました。(しょーかき 様)
GIBでは、計測と診断だけを行うPLEKスキャン(¥4,400)で、ネックの状態を確かめられます。
あわせて読む: ベースがビビる原因と直し方 / PLEKスキャンでわかること
まとめ
- 1フレットと12フレットを押さえて、7フレット付近の隙間を見れば、ネックの反りがわかります。
- 5フレットと最終フレットを押さえて12フレット付近を見ると、ハイ起きがわかります。
- ベースには適度な順反りが必要で、反っていること自体は問題ではありません。
- ハイ起きやねじれはトラスロッドでは直らず、フレットを整えて対処します。